永井佳代(ながいかよ)プロフィール
1984年1月、愛知県生まれ、39歳。南山大学人文学部を卒業。シティバンク銀行やナショナルオーストラリア銀行などに14年間勤務。不妊治療、流産、産後うつ病を経て、現在は1歳の息子の子育て奮闘中。趣味は、盆踊り・銭湯めぐりで、中日ドラゴンズファン。
助けてと言えていますか?
―もっと支えあえる社会へ―
結婚をして、子どもを授かりたいと思ったあの日から7年以上の歳月は、実に長くて険しいものでした。不妊治療の負担が、精神的にも身体的にも経済的にも重くのしかかり、流産もしました。出産後には、無事に生まれてきてくれたことに感謝しつつも、気づけば産後うつ病に…。私を見かねたパートナーが中央区の保健所に「助けて」とSOSの電話をしたことがきっかけで、立ち直ることができたと思っています。保健所のご担当の方がつないでくれた精神科の先生は、私の心の辛さを親身になって受け止めてくださり、安らぎや快方に向かうきっかけを与えてくれました。あの時、助けて欲しい、と声をあげることができなかった場合の結末は、想像することさえ恐怖でしかありません。
私がめざしていきたい世の中は、困ったときに迷わず「 助け」と言える社会です。私は幸運にも行政を頼ることができましたが、俗に言われる「孤育て」や「個育て」に悩み苦しみながら、誰にも支えられずに困り果てている家庭は、決して少なくないはずです。
2022年現在、東京23区の統計比較を見れば、ここ中央区の高齢化率はもっとも低い14.7%、一方で15歳未満の年少人口割合はもっとも高い13.7%となっています。私たちの街「中央区」は、東京でいちばん若々しい先進区であり、この街で生まれ育つ子どもたちとその親たちにもっと温かく寄りそい、互いに支えあう地域社会をつくりあげていきたいと思っています。
そして、子どもにやさしい街は、高齢者にも障害者にもすべての人にとって住みやすい街となります。今まで多くの人に支えられてきた私だからこそ、これからはこの街で暮らしながら困っている人へ私が手を差し伸べ、耳を傾けながら、ほんの少しだけでもお役に立ちたいと、街中を走り回りながら、決意を新たにしています。
ながいかよライフストーリー
愛知県岡崎市に生まれました。学生時代は、どちらかというと「勉強より運動」というタイプで、今でも走ること、身体を動かすことは大好きです。高校では、ニュージーランドへ1年間留学をしました。大学を卒業してから、国内外の銀行や証券会社で約14年間勤務し、社会人としてのキャリアを積んできました 。私の勤務していた銀行のスローガンは「More than money」、すなわち「お金以上に大事なものを」です。私はこの言葉を誇りに思い仕事に取り組んできたので、時に営業成績を最優先にできるときばかりではなかったかもしれませんが、お客様の笑顔を誰よりも作り出してきた自信があります。また、オーストラリアやニュー ジーランドの大使館と協同の仕事も多く、BBQ やテニスなどの余暇を共にしたことも含め、その交流の数々が私の財産となっています。産休明けの2022年、突如として所属部門が閉鎖になることが決まり、このタイミングで政治の世界へ挑戦することを決意し、金融最前線に別れを告げることとなりました。
産後うつのこと
生後3か月頃から、可愛いはずの赤ちゃんの泣き声が、いつしか母親である私を強く責めているような錯覚に陥り、泣き声に恐怖を感じるように…。
目をつむって眠ろうとすると、息子が泣いて、私を求めているような幻聴さえ聞こえるようになり、まったく眠れなくなりました。毎日苦しくて、辛かったのに「助けて」というひと言が出せずに憔悴していきました。
見かねたパートナーが中央区の保健所に「助けて」と SOSの電話をしたことをきっかけに、立ち直る方向へ。
今になって、子育て中の知人友人にその時の話をすると、実は彼女らも似たような経験をして苦しんだことがある、と打ち明けられることに驚いています。
しかし、私は当時の彼女らの想いにまったく気がついていませんでした。笑顔の裏の苦悩にそっと寄りそいながら、深く立ち入りすぎず、それでもいざというときには確実に助け舟を出せる、そんなことを実践できる社会が理想だな、と考えています。
ながいかよが、中央区で取り組みたいこと
「妊活から子育てまで」
子どもと親へのサポートNO.1の自治体へ
- 子育てをさらに経済的に支援し、メンタル面のサポートも充実へ
- 「孤育て」「個育て」をなくし、子どもと親への支えあえる地域の輪を広げる
- 保育園から中学校まで、すべての学校給食を無償化へ
「子育てと仕事の両立」
子育てでキャリアを失わない社会へ
- 保育園・こども園をさらに増やし、保育士の圧倒的な待遇改善
- 病児保育・病後保育の充実と、復職後のベビーシッター補助の充実を
- 子育てパートナーの理解を深め、「イクメン」という言葉そのものを失くす